今回このゲームをプレイして価格に見合うリマスターを行っているかを考えてみた。
(1)どの程度の予算をかけられるか。
・当然の事ながら、PS3→PS4への移植。単なる移植というわけにはいかない。
まずPS3当時の開発だ。ここで予算をかけていればつまり、PS4の移植を
前提に考えていた。完成度の高い作品を作っていれば、多少内容変更しても
そんなに苦労せずに済む。
至極まっとうな話だが、PS4へのリメイク移植は移植する前の作品が
どれだけ売れているかもしくは人気があるかにかかっており、逆を言えば
売れてない物を移植しても何のメリットもない。当たり前だけど
一例として、FF12のゾデイアックシステムは、スクエニの作品が最近
リマスターに失敗している中で、元がPS系列だったのでほぼ当時の操作性を
再現した。
更に当時のゲームシステムに多少改編したものの、シナリオの変更とかなく
(英語版のセリフに今のキャスト陣の吹き替えはした)が遜色なく
スムーズに聞き取りができた。無論定価が高かった分、音楽の
リマスタリングまでできたが。これは成功している場合の話。
一方同社の聖剣伝説2だと、SFC時代の操作性と当然ながら今の時代の
PS4とは決定的に違う。なので、一から作り直すとなれば、恐らく
フルプライスで出さないといけないが、筆者は感じた。
そうつまり値段が安いのである。とってつけたような声優の吹き替えと
安い音楽のリメイク。当たり前だが当時のシステムにやっつけ仕事を
したため、バグが連発した。
その後対応も後手に回り、結果としてゲームの名前に傷をつけた。
その悪しき習慣は、最近PCで発売されたクロノトリガーにも表れている
当時のバグや操作性の改善を行う。そんな当たり前のこともせずに
画質や音でごまかすことは、その企業価値や株主に説明ができないだけでなく
雇用も失われ、社会的損失が大きい。
・つまりまとめると・・・
定価が高い→それをバグや操作性にかけてユーザー視点で開発するパターン
→高評価へとつながり値崩れは起きにくい。
定価が高い→画質の向上や音楽の改善とデバッグ作業を省略する
→売りたくとも売れずに結果、価格の暴落が起きやすい。
(2)一方企業努力で値段を抑えている場合もある
それは日本ファルコムであろう。
今回発売された「閃の軌跡 改」である。これ定価4000円台、実売3500円位。
無論当時のままだが元々開発力が強く、当時から次世代機を見据えた開発をしている
優良企業だろう。DLCを45個入れてもまぁ当時のままなので多少はバグはあるが
それがあったのだろうかアップデートが早速入っていた。
一方で悪い例も挙げておく。定価がフルプライスなのに。発売当日あっさり
大暴落した、そう「ドラゴンズクラウンプロ」である。
悪い例の画質・音楽だけ目立ち。当時操作性で悪評があったにも関わらず
チューニングせずに放置。限定版だけ注目されたのは今も昔もそう。
結果ネットの評判が下がり今では、定価の半額いかというお粗末さを露呈した。
ここでの教訓は、当時のいい部分を残しつつ、今の時代に合わせた操作性や
バグをとれるだけの予算をかけたしっかりした作品が評価を出すという事。
逆にやっつけリマスタリングだけでは、悪評しか残らないのも今も昔も同じだ。
このインターネット特に「無料のスマホゲーム」が出ているこのご時世。
フルプライスゲームは敬遠されがちだ、しかしながらきちんと作れば
売れることを結果が証明している。
ということはきちんとした作品をメーカーが作る「努力」が欠かせないのだ。
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